私の願いに、陛下は何も言わず静かに頷かれた。
私が近づくと、陛下は身体をこわばらせ、少しおびえた目で私をご覧になった。
得も言われぬ罪の意識にさいなまれたが、私にはもう止めることはできなかった。

私は震える陛下の唇に自らの唇を重ねた。

『フェルディナンド卿手記』より

2010/06/14
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